今回紹介する「あどはだり」は、かなりディープな津軽弁です。
津軽地方では食べ物や特産品などに「あどはだり」という言葉がよく使われます。
はじめて聞いたときは、「あとあと何かたたりでもあるのか?」と不審に思いましたが、もちろん意味が違います。
「あどはだりそば」、「あどはだりスイカ」、しまいにはリンゴジュースの製品名が「あどはだり」。
どうやら食べ物に関する言葉なのだなということは分かったのですが。
さて、「あどはだり」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「あどはだり」の意味
「あどはだり」とは、おかわりする、もう一度ねだるという意味の言葉です。
食べた「あど」にもっと「はだる(欲しがる)」ことから、食べた後にもっと食べたくなるほどおいしいという意味でも使います。
「あどはだり」の使い方
例文1
A「あそこのラーメンどうだった?」
B「あそこのラーメンだっきゃめぐてあどはだりしたくなるや!」
(あそこのラーメンは美味しくて、もう一杯食べたくなるよ!)
例文2
子「あのガチャガチャ、もう一回、回したい!」
親「あどはだりせば、まね!」
(もう一回っておねだりしたら、ダメ!)
例文3
(食べたりなさそうな孫に対しておばあちゃんが一言)
「あどはだりしてもなもでねぞ」
(もっと食べたいといっても、もう何も出てこないよ)
さいごに
津軽地方に転勤してある程度言葉がわかってきたころ、休みの日などにぶらぶらと散策したり道の駅に出かけたりしました。
そうしたら、次々遭遇する「あどはだり」の文字。
居酒屋の店名で「あどはだり」、スイカやそばも「あどはだり」。
果てはテレビやラジオの番組やコーナーでも「あどはだり」。
話し言葉としてはあまり聞かなかったのですが、あちこちで見かけた謎の言葉でした。
意味を聞いてみると確かに食べ物によく使われるのもうなずける言葉です。
その他の青森県の方言は「青森県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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