「大岡越前」や「遠山の金さん」といった時代劇を見ていると、奉行が捕らえられた悪役に「その方、〇〇について心当たりがあろう」などという場面がありますよね。
すると、きまって悪役たちは「これは異なことを仰せになる」などといって口々に反論しています。
広島や愛媛の方言で、異なことと似た言葉で「いなげな」というものがあります。
さて、「いなげな」はいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「いなげな」の意味
「いなげな」は、変な、おかしい、普通ではない、といった意味で使われる言葉です。
「いなげな」の使い方
例文1
(変わった行動をする人に対して)
「ほんま、いなげなことするのぅ」
(本当に、変なことをするねぇ」
例文2
(変顔でふざけている子供に対して)
「そんな、いなげな顔せんの」
(そんな、変な顔をしたらダメだよ)
例文3
(ちょっと風変わりな服を着ている人を見つけて)
「あのおじさん、いなげな服着てたよ」
(あのおじさん、変な服着てたよ)
例文4
(上司が提出された資料を却下するときに)
「う~ん、こんないなげな内容なら、もう一度作り直しだなぁ」
(う~ん、こんなおかしい内容なら、もう一度作り直しだなぁ)
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さいごに
広島弁はきつく、伊予弁はおっとりしていると評されますが、共通する言葉もあるんです。
瀬戸内海を挟んだ両地域は、昔から交流が盛んでした。言葉が似通っていても全く不思議はありません。
この「いなげな」という言葉もその一つです。
どちらかといえば、否定的な意味合いで用いられる方言だからこそ、意味を知らないと困ります。
断るときの口上に出てくる言葉だからです。できれば、「いなげな人」といわれるのは避けたいところですね。
その他の広島県や愛媛県の方言は「広島県の方言一覧」、「愛媛県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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