標準語で「めげる」という言葉は、気力が失われるとか負ける、ひるむといった意味で使います。
主に心の状態について使う言葉ですよね。
これに似た発音の中国地方の方言に「めぐ」という言葉があります。
「めぐ」は心の状態よりも、モノの状態に対して使う言葉です。
古い時代の「めげる」の意味に通じる言葉なのですが。
さて、「めぐ」はいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「めぐ」の意味
「めぐ」とは、壊す、壊れる、壊したなどといった意味の言葉です。
過去形は「めいだ」「めーだ」。
「めぐ」の使い方
例文1
(乱暴におもちゃを扱う子供に対して)
「乱暴に扱って、めーだらいけんよ!」
(乱暴に扱って壊したらダメだよ!)
例文2
A「新しい機会がはいったんですね。」
B「そうだ。大事にしろよ。今度は機械めぐなや!」
(そうだ。大事にしろよ。今度は機械を壊すなよ!)
例文3
(せっかく作った文化祭の展示物が壊れてしまっているのを見つけた時)
「あーあ、めげたぁ」
(あーあ、壊れたぁ)
さいごに
今回の方言「めぐ」は中国地方全域に広がる方言で、香川や徳島の一部でも使用例があるようです。
江戸時代、めげるという言葉は精神的な面よりも、モノが壊れた時に使う用法が主だったようです。
中国地方では、とにかくなんでも「めぐ」のです。
パソコンも、スマートフォンも、自転車も、機械やモノは「めぐ」のです。
機械が壊れることを指す言葉なのですが、この方言を使うと機会があたかも人間であるかのように見えてきませんか?
そう考えてしまうと、何とも言えずかわいらしい雰囲気に思えてしまいます。
しかし、当の本人たちにとっては自然な言葉で、機械が「めいだ」ことで、気分が滅入っているはずです。
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