広島弁は、かつての仁侠映画の影響で「きつい」「こわい」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
「わりゃ、はよいねや!」(お前、早く帰れ!)などの言葉を聞くとあまり良いイメージを持たれないかもしれません。
たしかに、きつい言葉もありますが、そうでない方言もあるんですよ。
今回紹介するのは、「たちまち」。
「?」とはなりますが、意味はいたって普通。
もちろん、紹介する以上は独特の意味を持った方言なのですが、さて、いったいどんな意味なのでしょうか。
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「たちまち」の意味
「たちまち」は、とりあえずという意味です。
標準語でもとりあえずはよく使う言葉ですから、広島弁が濃厚に残っている地域では日常的に使われる方言です。
「たちまち」の意味
例文1
父「この荷物どこに置く?」
母「たちまち、ここでええわ」
(とりあえず、ここでいいよ)
例文2
部下「明日の会議資料何部用意しますか?」
上司「そうだな。たちまち10人分でええ」
(そうだな。とりあえず10人分でいい)
例文3
店員「いらっしゃいませ。お飲み物は何になさいますか?」
客「たちまち、ビール」
(とりあえず、ビール)
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さいごに
標準語の「たちまち」は、物事が極めて短時間のうちになされることをあらわします。
そのため、はじめて方言の「たちまち」を聞いたときは、文脈からの判断がしにくかったのを覚えています。
そもそも、広島弁は広島市を含む西部の「安芸弁」と、東部の「備後弁」に分かれます。
江戸時代の境界線に沿って方言も分かれているのですね。
広島県出身者に聞いてみると「きつく聞こえる広島弁の中ではかわいいほうだよ」とのこと。
強いイメージだけに引きずられず、温かみも感じたいところですね。
その他の広島県の方言は「広島県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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