家庭で動物を飼っている人は自分自身や身の回りのものを何かしらかじられた経験があるのではないでしょうか。
わが家の柴犬も幼いころはいろいろなものをかじったものです。
この場合の「かじる」は、口で何かに歯を立てることですが、山梨県で「かじる」といえばちょっと意味が違ってきます。
動物というよりは、誰かに「かじって」もらうことが多いそうなのです。
さて、「かじる」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「かじる」の意味
「かじる」は、かゆい部分などをかく、という意味の言葉です。
「かじる」の使い方
A「あー、腕がかゆい! 虫に刺されたんだ」
B「あんまりかじっちゃダメだよ。あとが残るから」
(あんまりかいたらダメだよ。あとが残るから)
例文2
A「冬って、肌が乾燥するね」
B「そうだね。ついかじっちゃうからボディクリームとかかかせないね」
(そうだね。ついかいてしまうからボディクリームとかかかせないね)
例文3
(背中に手が届かないので、誰かに背中をかいてほしいときに)
「ねえ、背中かじって」
(ねえ、背中をかいて)
さいごに
以前、山梨県のテレビ局がJRの沿線沿いにどこまで「かじる」が通じるかということを取材していました。
結果は山梨県内と長野・静岡・神奈川の県境くらいまででした。
「かじる」は、山梨限定の典型的な甲州弁だということがわかります。
山梨は周囲を山に囲まれた県です。
周囲の山々は他の地域と山梨県を隔てる壁の役割を果たしたのでしょう。
それゆえ、「かじる」のような甲州弁が出来上がったのかもしれませんね。
周囲の山は壁であると同時に多くの恵みももたらしてきました。
甲斐の戦国武将、武田信玄は山の恵みである金を上手に使って国力を増大させました。
金はありませんが、ぶどうなどの豊かな山の恵みは今も山梨の人々の生活に欠かせないものです。
その他の山梨県の方言は「山梨県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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