標準語と方言とで同じ発音ででありながら意味が異なっている場合、あるいは、漢字にしたときに意味が標準語と方言で違う場合など、お互いに勘違いしてしまうことがしばしばあります。
今回紹介する新潟県の方言「おおばら」もその一つ。
この発音だけを聞くと感じで「大腹」と変換してしまいそうですが、全く意味が異なります。
なんとなく「太っ腹」で気前がよさそうに聞こえる言葉ですが、そうではありません。
さて、「おおばら」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「おおばら」の意味
「おおばら」とは、散らかっている、散らかった様子を表す言葉です。
「おおばら」の使い方
例文1
A「部屋行ってもい?」
B「今、おおばらだから片付けるまでダメ」
(今散らかってるから片づけるまでダメ」
例文2
(散らかっている息子の部屋を見て母親が怒る)
「もう、こんなにおおばらにして!早く片付けなさい!」
(もう、こんなに散らかして!早く片付けなさい!)
例文3
A「急に来てしまって申し訳ありません。」
B「いえいえ。おおばらにしてますが、どうぞ」
(いえいえ、散らかっていますが、どうぞ)
さいごに
新潟県は日本海に面し、冬の大雪で知られる県です。
冬の大雪は人々の生活に大きな影響を与えてきました。
雪害で人々を苦しめることもありますが、雪解け水は日本有数のコメどころである越後平野を潤してきました。
新潟県の県民性はこの長い冬を耐える忍耐力と、互いに助け合う義理堅さに特徴があるといいます。
新潟県の戦国大名、上杉謙信の旗印が「義」だったのもうなずける話ですね。
その反面、謙信は酒豪としても知られました。
謙信がどうだったかはさておき、酒を飲むと人々はだらしなくもなりますし、部屋は「おおばら」になりがちです。
そんな時は、普段の義理堅さを思い出し、限度を越えない限りは大目に見てもいいかもしれません。
その他の新潟県の方言は「新潟県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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