国語や古典の授業で、程度を表す副使というのを習いましたか?
「うわっ そんなのもう聞きたくない!」などといわず、もう少しだけお付き合いください。
まあ、早い話、「~くらい」といった物事の度合いや程度を表す言葉という意味なのです。
今回の群馬県の方言「てんで」または「てーんで」も、物事を表すときに使う言葉なのですが。
さて、「てんで」または「てーんで」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「てんで」「てーんで」の意味
「てんで」や「てーんで」は、とても、全く~ないといった意味の言葉です。
全く~ないの場合は打消しの言葉を伴います。
「てんで」「てーんで」の使い方
例文1
A「このあいだあげた包丁、使ってみた?」
B「うん、てーんで切れ具合良くてたすかってるよ」
(うん、とても切れ具合が良くて助かってるよ)
例文2
A「昨日、孫がうちに来たんだ」
B「今、3歳だっけ?」
A「かわいいんだけど、てーんで言うこときかねーんだ」
(かわいいんだけど、全く言うことをきかないんだ)
例文3
A「美術館でゴッホ展始まるって」
B「ふーん。でも、俺はゴッホなんててんでわからねぇ」
(ふーん。でも、俺はゴッホなんて全く分からない)
さいごに
日本語には一つの方言で全く逆の意味になるものがたくさんあります。
例えば、すさまじいという言葉はすごく良いときと、すごく悪いときの両方で使いますよね。
今回の「てんで」も肯定的な意味と否定的な意味と両方を一語で表しています。
共通しているのは、両方とも通常よりも程度や度合いが大きくかけ離れていることです。
とてもすごいという意味で使われる「鬼」という言葉とも似ているかもしれません。
どうせ使われるなら、良い意味で「すごい」という意味合いで使われたいですね。
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