日本の冬の風物詩の一つに、こたつでみかんというのがありますよね。
足をぽかぽかに温めて、甘いミカンをほおばる瞬間は、小さな幸せといったところでしょうか。
しかし、たくさん食べたいからといってミカンを箱で買うと困ったことがおこりがちです。
そんな時に使う方言がこの「ねまる」です。
さて、「ねまる」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。
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「ねまる」の意味
「ねまる」の意味は、食べ物などを腐らせてしまうこと。
食べ物を寝(ね)かせて放置(まつ)すると食べ物が腐敗することからきた言葉だとの説があります。
「ねまる」の使い方
例文1
(待ちに待った遠足の最中に)
A「今日はいいお天気だね。お弁当もちゃんと持ってきたしお昼が楽しみ」
B「そうだね。でもこんなに暑いから、お弁当がねまらないか心配だよ」
(そうだね。でもこんなに暑いから、お弁当が腐ってしまわないか心配だよ)
例文2
(佐賀の戦国大名、龍造寺隆信が、議論百出してまとまらない家臣たちに対して言った言葉)
「分別も久しくすればねまる」
(考えすぎてしまっては、腐ってしまう=ダメになる)
例文3
(梅雨時期に、作り置きしておいた煮しめを見て)
「あ、この煮しめはねまっとる」
(あ、この煮しめは腐ってる)
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さいごに
実は、この「ねまる」という言葉はちょっと変わった方言です。
九州地方ではくさるという意味で使いますが、東北地方では横になる、体を休めるという意味になるのです。
戦国時代から江戸時代にかけての辞書には、腐るも横になるも書いてあったとのことです。
2つの意味のうち、くさるは九州地方に、横になるは東北地方に分離して残ったということなのでしょう。
理由は定かではありませんが、何とも不思議なお話ですね。
その他、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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