普段何気なく使っていた言葉は、地元からほかの地域に移り住んでもなかなか抜けないものです。

特に生活に密着して溶け込んでいるような言葉であればあるほど、ふとした瞬間に口をついて出てしまいがちです。

今回紹介する「かます」はまさに生活に密着した方言です。

さて、「かます」とはいったいどんな意味の言葉なのでしょうか。

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「かます」の意味

かます」とは、かき混ぜるという意味の言葉です。

北海道や東北地方で広く使われる言葉で、かちゃます、かまかすなどともいいます。

「かます」の使い方

例文1

(一昔前の追い炊きタイプの風呂の場合)

子「じゃあ、風呂入るね」

親「よくかましてから入りなよ」
(お湯をよくかき混ぜたから入りなよ)

例文2

A「これどうやって作るの?」

B「牛乳入れてかますだけだよ」
(牛乳を入れてかき混ぜるだけだよ)

例文3

(休日にカップルで料理を作っているとき)

A「わたし、具材きるねー」

B「わかった。じゃあ、俺は何すればいい?」

A「う~ん、鍋かましといてくれる?」
(う~ん、鍋をかき混ぜておいてくれる?)

さいごに

友人や職場の同僚と話していて、思わず言ってしまった方言から出身地がわかってしまうことはよくあります。

北海道弁なら、語尾に「~しょ」とつくのがその代表格でしょうか。

しかし、同じ北海道でも海岸部や函館などの道南の方言はちょっと違うんです。

こちらの方言は語尾に「~さ」とつくことが多いんです。

公共交通機関を利用した時、ご婦人や女子高生の会話の一部が耳に入ってくることがありますよね。

そんな時に、語尾の「~しょ」や「~さ」を聞くと、地元に帰ってきたなという気がします。

「ふるさとの 訛りなつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにいく」とは石川啄木の句ですが、地元を離れるとその気持ちがよくわかります。

その他の日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。

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